クラウド管理型ネットワーク機器の利便性と導入メリット・デメリット

クラウド管理型ネットワーク機器の利便性と導入メリット・デメリット

以前の記事でサーバーなどのクラウド、オンプレミスについての記事を書きましたが今回はNW機器を管理する面でのクラウド管理について焦点をあてた内容を書いていこうと思います。

 

近年、企業ネットワークの運用において「クラウド管理型ネットワーク機器」が急速に普及しています。
代表的な製品としてCisco Meraki、Fortinet FortiLAN Cloud、Aruba Central、Juniper Mistなどが挙げられ、従来のオンプレミス管理とは異なる運用スタイルを提供しています。特に人手不足やDX推進が求められる現代において、クラウド管理はネットワーク運用の省力化や可視化を実現する有効な手段として注目されています。

 

・クラウド管理型ネットワーク機器とは

クラウド管理型ネットワーク機器とは、ルーター、ファイアウォール、スイッチ、無線LANアクセスポイントなどの設定や監視を、クラウド上の管理ポータルから一元的に行う仕組みです。

従来は各拠点へ接続してCLI(コマンドライン)やWebGUIから個別に設定を行う必要がありましたがクラウド管理型では、インターネット接続さえ確保されていれば、管理者はどこからでもブラウザを利用して設定変更や監視を実施できます。

例えば本社、支店、工場、店舗など全国各地に多数の拠点を持つ企業では、すべての機器を一つのダッシュボードから管理できるため、運用効率が大幅に向上します。

 

・クラウド管理の利便性

クラウド管理には様々な利便性があります、その中でも代表的なものを紹介します。

1,一元管理が可能
最大の特徴は、一つの管理画面ですべてのネットワーク機器を管理できることです。
従来は、本社ルーター支店ルーター、スイッチ、無線LAN、それぞれへログインして設定を確認する必要がありましたがクラウド管理ではダッシュボードから機器一覧を確認し、状態監視や設定変更を一括で行えるため管理者の負担が大幅に軽減されます。

 
2,遠隔地から管理可能
現地へ訪問せずに設定変更やトラブルシューティングが可能である。
例えば店舗のWi-Fi設定変更やVLAN追加が必要になった場合でも、本社からリモートで作業でき、出張費や移動時間を削減できるため、多拠点展開している企業では特に大きな効果があるといえます。

 

3,視覚的で分かりやすい管理画面
多くのクラウド管理製品はGUIベースで設計されており、通信利用状況や接続端末数、ネットワークトラフィックなどをグラフやチャートで可視化できるため、専門知識が少ない管理者でも状況を把握しやすくなっています。
また、障害発生時にはアラート通知を受けられるため、問題の早期発見にもつながります。

 

4,ゼロタッチプロビジョニング

機器を現地へ発送して接続するだけで自動設定が適用される機能です。
従来であれば、管理者が事前設定⇒現地へ配送⇒設置作業という作業の流れがが必要でした。

クラウド管理では、機器のシリアル番号を登録しておくだけで設定が自動配布されるため、管理者が現地へ行く時間とコストをカットでき短時間で拠点展開が可能となります。

 

・クラウド管理型機器のメリット

1,運用コスト削減
リモート管理が可能になることで現地対応回数が減少し、設定の自動化やテンプレート機能により運用工数も削減されるため、管理者の負担軽減につながります。
ネットワーク全体の可視化としてユーザーごとの通信量やアプリケーション利用状況を把握できる。
例えば、Microsoft Teams、Zoom、YouTube、社内システム
などの利用状況を分析できるため、帯域設計やセキュリティ対策に活用できる。

2,設定ミスの削減
テンプレート設定を利用することで、複数拠点へ同じ設定を展開できるため人手による設定ばらつきが減少し、品質の均一化が図れます。

3,拡張性が高い
新しい拠点や機器を追加する場合でも、クラウド上で管理対象へ追加するだけで運用を開始できるため企業成長に合わせた柔軟なスケールアウトが可能でとなります。

4,ソフトウェア更新が容易
ファームウェアアップデートを一括管理できるため、脆弱性への対応や新機能の適用を計画的に行うことができ、セキュリティ向上にも有効といえます。

 

・クラウド管理型機器のデメリット

1,ライセンス費用が発生する
多くのクラウド管理製品では年間または複数年単位のサブスクリプション契約が必要となる場合が多く初期費用だけでなく継続的なランニングコストが発生するため、長期間運用ではトータルコストを考慮しなければなりません。

2,インターネットへの依存
管理機能はクラウドを利用するため、インターネット接続障害時には管理操作が制限される可能性があります。
データ通信自体は継続できる製品が多いものの、設定変更や監視機能に影響が出る場合が多いです。

3,ベンダーロックイン
導入後は特定ベンダーのクラウド基盤に依存することになるため、別メーカーへ移行する際には設計や運用方法を見直す必要があり、移行コストが発生することも少なくありません。

4,高度な設定に制限がある場合がある
GUIによる簡易運用を重視しているため、従来のCLI機器で可能だった細かなチューニングが行えないケースもあります。
大規模ネットワークや特殊な構成ではオンプレ管理の機器以上に事前検証が必要となるでしょう。 

 

 

クラウド管理型ネットワーク機器は、ネットワーク管理の一元化、遠隔運用、自動化、可視化を実現し、運用負荷を大幅に軽減できるソリューションです。
特に多拠点環境では、従来のオンプレミス管理と比較して高い運用効率を発揮しますが一方で、ライセンス費用やクラウド依存といった課題も存在するため、導入にあたっては運用体制や予算、必要な機能を十分に検討することが重要となります。