10月頭の三連休明けから様々なところで影響が出ている全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営する全国銀行データ通信システム(全銀システム)の不具合によるトラブル、今回は稼働から約50年間トラブルがなかったシステムについて、今回の障害はどのように発生したのかをまとめてみました。
●運営する全国銀行データ通信システム(全銀システム)とは
「全銀システム」で調べると以下のような記述があります。
『全国銀行内国為替制度に加盟する銀行間の内国為替取引に関する通知の送受信、および当該取引によって生じる銀行間の為替決済額の算出・清算などを集中的に行うオンラインシステムのこと』
つまり国内のほぼすべての金融機関が利用しているのです。
1973年から稼働しておりおよそ8年毎にシステム更改を行っており、2019年11月から、第7次全銀システムが稼動を開始しました。
社会インフラにも影響があるため安全性・信頼性があり稼働開始から50年間で顧客に影響がでるほどの障害は初め手の出来事でした。
●今回のトラブルはどのようにして起きたのか
そんな信頼がありシステム更改もしていた全銀システムがなぜ今回このような大規模障害が発生してしまったのでしょうか。
今回障害が発生したのは厳密には金融機関が全銀システムに接続する際に使う中継コンピューター(RC)のプログラムであり、送金元の金融機関から送金先の金融機関に対して支払う「内国為替制度運営費(旧銀行間手数料)」の設定などをチェックする機能に不具合が生じたと見られてるそうです。
今回システムのRCを更改した14の金融機関のうち、11の金融機関で不具合が発生し、システムのRCは各金融機関に2台ずつ設置されていたが、2台とも不具合が生じ、冗長構成がうまく機能しなかった。
全銀ネットは10日午前9時30分ごろ、ベンダーのNTTデータとの協議を経てRCのシステムをリブートしたが、不具合は解消しなかったという。
更改方法の手順や、冗長構成がうまく機能しなかったなど詳細がまだ判明していないが金融庁から、資金決済法に基づいて原因や再発防止策などの報告を求める「報告徴求命令」を出す方針が固められたとのニュースもあるので原因の解明を待ちたいと思います。
●まとめ
今回50年で初の顧客への影響のある障害が発生したが全銀システムを調べてみると、平日日中の内国為替取引に対応する「コアタイムシステム」と、平日夜間・土日祝日の内国為替取引に対応する「モアタイムシステム」によって構成されている事や機器の冗長化、システム自体東西にも冗長しており24時間365日の稼働がじつげんされているなど素晴らしい点も多いので原因を調査し再発防止していってほしいと思う。
我々も何かを作る際に安全性や機能性を意識するが50年何も問題がなくても1度の障害で信頼回復にかかる時間はさらに多くの時間を要するだろう、だからこそヒューマンエラーなどの意識で防げるミスやエラーはなくすよう徹底していく必要があるだろう!