「囚人のジレンマ」には気を付けよう!

「囚人のジレンマ」には気を付けよう!

「囚人のジレンマ」をご存知でしょうか?
ざっくり言うと、個人が得する行動が全体にとっての得にならない状況です。
ゲーム理論のモデルの一つですが、聞いたことがある方も多いかと思います。
今回はこの「囚人のジレンマ」とは何かを説明して、
そのような状況に陥らないためにはどうすればよいのかをお伝えできればと思います。

ゲーム理論

ゲーム理論はお堅く説明すると、
社会や自然における複数主体が関わる意思決定の問題や行動の相互依存的状況を
数学的な数理モデルを用いて研究する学問です。
つまり、人や企業がどのように行動するのかを、状況を数値化して考えてみよう!
というようなものです。

ゲーム理論はビジネス用語として有名なもので、
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験といった試験でも問われる内容です。
知っておいて損は無いので是非これを機に調べてみてください。

パレート最適・ナッシュ均衡

囚人のジレンマは、ゲーム理論の中でも非協力ゲームと呼ばれるモデルです。
各プレイヤーが提携をしない上での状況を考える場合に、
押さえておきたい用語が2つあります。

パレート最適とは、誰かの状況を改善しようとすると、
別の誰かが必ず不利益を被る状態のことです。
つまり、全体を見た時に最適な状況ということです。

ナッシュ均衡とは、自分だけが行動を変えても得をしない状態のことです。
誰も行動を変えることはなく、均衡が取れているということですね。

囚人のジレンマ

囚人のジレンマとは、ナッシュ均衡がパレート最適とならない状況です。

2人の囚人に「黙秘」か「密告」を選ばせる時に、
・両者「黙秘」なら、両者が軽い刑罰を受ける
・両者「密告」なら、両者が中程度の刑罰を受ける
・分かれたなら、「密告」側を釈放して「黙秘」側は重い刑罰を受ける
という前提があると囚人はどのような選択をするのかという話です。

ゲーム理論ということで、数値化して考えてみましょう。
刑罰の重さを仮に1~3の数値として、囚人の選択がランダムだとすると、
パレート最適、つまり囚人全体で見た最適解は両者「黙秘」ですね。
しかし、相手の選択が不明であるため、
囚人それぞれの目線としては、期待値的には「密告」を選ぶべきです。
両者「密告」がナッシュ均衡であり、個の得を求めた結果全体としては損となります。

これが囚人のジレンマです。
協力し合いさえすればこんなことには…と少しモヤモヤしてしまう状況ですね。
身の回りにもこれに似た状況が隠れているかもしれません。
何故か上手くいかないなぁ、な状況はもしかしたら…?

まとめ

囚人のジレンマは非協力ゲームのモデルではありますが、
意外とチーム作業の中にも囚人のジレンマが多く潜んでいるように思います。
元も子もありませんが、まずは協力して作業しましょう。
そして、「自分の行動が個の利益だけを優先していないか?」や、
「全体を俯瞰して考えられているか?」を常に意識しましょう。
善意で行ったつもりがチームメンバーの負担になってしまうのは悲しいので、
ゲーム理論でスマートな判断ができると良いですね。