AIの歴史・進化に合わせた正しい利用のしかた

人工知能、またの名はAI (Artificial Inteligence)とは一般的には、「人間の知能をコンピューターを用いて人工的に再現したもの」という意味で理解されています。

ここ数年で「○○生成AI」や「対話型AIチャット」など爆発的に増え、その性能も進化していますが古くは1950年代にはその概念は提唱されており1960年~1974年ごろは第1次AIブームとも呼ばれパズルや簡単なゲームなど、明確なルールが存在する問題に対して高い性能を発揮し、人工知能に大きな期待が寄せられました。
その後数年の間AIの思考は必要なのか?という現実の複雑な問題に対処出来ない点が浮き彫りになり開発などが下火になりつつありました。
その後1980年~1987年ごろは第2次AIブームと呼ばれ「知識」をルールとして教え込み、問題解決させようとする技術(エキスパートシステム)の実用化がされてきました。このシステムは現在の通販サイトの評価システムなどにも使われています。
その後にエキスパートシステムとして導入できる知識の限界などの面からまたAIブームは下火になります。

そして現在2006年~2020年:第3次AIブームともいうべき波が来ているのです。
以前までの教えた内容を用いて判断する。だったAIが「ビッグデータ」と呼ばれているような大量のデータを用いることで人工知能(AI)自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化されたのです。
さらに「ディープラーニング(深層学習)」を活用することで、学習データから自動で特徴量を抽出し、精度を向上させることが可能になりました。

第1次、第2次ブーム時にネックになったAIの「思考力」「応用力」ともいえる部分への回答が見つかりAIが自ら学び、自ら進化していくようになりました。
このように長い歴史をかけ進化してきたAI技術ですが正しく使えばこれ以上に便利な技術はないともいえます。
最近ではAIに答弁の内容を書いてもらったり、プログラムを書いてもらったりまで出来るようになってきています。

個人的に興味深いなと思ったのは「対話型AIチャット」に何かをしてもらうのでななく、想定される回答を得るためにはどのような「聞き方」をすればよいかを考えるというものです。
これはヒト対ヒトの対話と違い明確に質問を投げれていないと正答が得られないため「相手に何を伝えたいか」を考えて質問や会話をする練習をするという使い方だそうです。
その反面将棋の大会で出場者が対局中に離籍を繰り返しAIに最善手を考えさせており問題になる。といった事件も発生していると目にしました。
爆弾として有名なダイナマイトも本来はトンネル工事などで作業をスピーディに進める目的でノーベルによって開発されたが結果として戦場に流用され開発者であるノーベル自身「死の商人」などと呼ばれてしまうようになりました。

このように優れた技術は多くの人の生活を豊かにするために用いればこれ以上ないものになりますが、一歩使い方を誤れば反転して多くの人の幸せを簡単に奪う道具にもなりえてしまうのです。
優れた技術が誤った使い方により糾弾されることのない様に技術を作る側こそ改めて「技術の正しい利用」について考える必要があるように思いました。